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授業設計

反転授業の本時、空いた40分を埋める活動メニュー

事前学習の後に確保された教室の時間を、講義に引き戻すことなく活動で埋める、具体的なメニューを示します。

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反転授業の最大の逆説は、「いざ動画で概念を先に届けてみたら、本時にやることがなかった」という告白です。説明を家庭へ送ったので教室は空くのですが、その空いた場所を埋める備えがなければ、教師は結局同じ説明をもう一度することになります。すると児童生徒には動画を見る理由がなくなり、「どうせ授業でまた説明するじゃないですか」という言葉とともに、事前学習の視聴率が崩れていきます。反転授業の設計の半分は、動画ではなく空けられた教室の時間を何で埋めるかにかかっています。動画制作に注いだのと同じだけの手間を本時の活動設計にもかけてこそ、二つの軸が均衡を保ちます。

本時を埋める活動メニュー

空いた時間を埋める活動は、あらかじめメニューとして用意しておくのがよいでしょう。その日の事前学習のデータに応じて選んで使います。

  • 誤概念の修正討議: 自己確認で多く間違えた設問を取り上げ、「なぜこの答えを選んだのだろう」をペアで話し合います。間違えた理由を言葉に出した瞬間に、修正が始まります。
  • 応用課題: 概念を実際の場面で使ってみる問題を解きます。動画で学んだことをなじみのない文脈へ移す段階です。
  • 仲間による教え合い: よく理解した児童生徒が、行き詰まった児童生徒に説明します。説明する側が最も多く学びます。
  • 発展の選択: 早く終えた児童生徒のための発展課題を別に用意しておきます。待たせません。

本時は概念にはじめて出会う場ではなく、概念を使ってみる場です。この前提が揺らげば、反転授業はただ宿題の多い授業になってしまいます。

データでその日のメニューを選びます

メニューがあっても、何を取り出すかはその日のデータが決めます。AIが事前学習の結果を要約してくれれば、選択が速くなります。

  1. 共通の誤概念が見えれば: 誤概念の修正討議を全体の活動として開きます。
  2. 理解度が二極化していれば: 仲間による教え合いを中心に据え、よくできる児童生徒と行き詰まった児童生徒を意図的にペアにします
  3. ほとんどが理解していれば: 応用課題と発展へすぐに進み、時間を節約します。
  4. 少数だけが行き詰まっていれば: その児童生徒にだけ教師が別につき、残りは応用課題を進めます。

肝心なのは、授業開始の5分前にデータを見てメニューを確定するという習慣です。あらかじめすべて組んでしまえばデータを無視することになり、データを毎回新しく分析しようとすれば疲れてしまいます。メニューは固定、選択はデータという分業が現実的です。たとえば自己確認の正答率が平均90%と出た日は、誤概念の討議を飛ばしてまっすぐ応用課題と発展へ進んで20分を節約し、60%と出た日は仲間による教え合いに時間をより多く配分します。同じメニュー表でも、その日のデータによって違うコースが並べられるわけです。

要点の整理

反転授業において動画は半分であり、残りの半分は空けられた教室の時間の設計です。誤概念の修正、応用、仲間による教え合い、発展という活動メニューをあらかじめ備えておき、その日の事前学習のデータを見て何を取り出すかだけを決めれば、本時が講義へ引き戻されることはありません。はじめはメニューを二つ三つだけ用意し、事前学習の正答率に応じてその中から一つを選ぶ練習から始めてみることをお勧めします。「今日は説明を一度もしなかった」という日が来れば、反転授業が根を下ろしたということです。

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