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教育の公平性

視覚障害のある生徒のデジタル教材アクセシビリティ、代替テキストから点検する

スクリーンリーダーと互換性のある資料をつくるための代替テキストと文書構造化の原則を、教師が制作・確認する視点から整理しました。

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視覚障害のある生徒は、スクリーンリーダー(画面読み上げソフト)で資料を聞きます。ところが、先生が丹精込めて作ったPDFが、いざ読み上げソフトにかけると「画像」という一語としてしか読まれないことがよくあります。図の中にある大切な情報が、まるごと消えてしまうのです。アクセシビリティは高価な機器よりも、資料を作るときの小さな習慣で決まります。AIは代替テキストの生成を助けてくれますが、確認は人の仕事です。

読み上げソフトと互換性のある資料の条件

読み上げソフトは文書の構造をたどって読みます。構造がなければ道に迷います。

  • 代替テキスト: すべての画像に、内容を説明する文を付けます。「グラフ1」ではなく「気温が3月から6月にかけて上昇するグラフ」のように書きます。
  • 見出し構造: 大見出しと小見出しを、書式ではなく見出しレベルとして指定し、読み上げソフトが目次のようにたどれるようにします。
  • 読み上げ順序: 左右の段組みで、読む順番がねじれないようにします。
  • 表の見出し行の指定: 表は見出し行を明示してこそ、セルの意味が伝わります。

よくできたアクセシブルな資料は、視覚障害のある生徒だけのためのものではありません。構造が明確な資料は、すべての生徒にとって読みやすくなります。

ロービジョンの生徒には別の処方が必要

視覚障害という一語の中には全盲とロービジョン(弱視)が一緒に括られていますが、必要な支援はかなり異なります。全盲の生徒がスクリーンリーダーに頼るのに対して、ロービジョンの生徒は残っている視力を最大限に活用するほうが効果的な場合が多くあります。このときは文字の拡大、高コントラストの配色、太いフォント、画面倍率の調整が要になります。同じ資料でも、白地に黒い文字が楽な生徒もいれば、黒地に黄色い文字でなければ読めない生徒もいます。ですから資料を一つの形に固定するよりも、生徒が色・大きさ・倍率を自分で調整できるようにしておくほうがよいのです。画像を大きく拡大しても粗くならないよう十分に大きい原本を使い、紙の資料であれば拡大印刷版をあらかじめ用意しておきます。肝心なのは診断名ではなく、その生徒が実際にどう見えているかに合わせることです。同じ分類の中でも処方を分ける細やかさが、アクセシビリティの質を分けます。

制作・確認の手順

  1. AIで画像の代替テキストのたたき台を作りつつ、教科の文脈に合っているかを必ず確認します。自動生成の説明は要点を外しがちです。
  2. 数式や図表は読み上げでは伝わりにくいので、言葉でかみ砕いた説明も併せて書き添えます。
  3. 完成した資料は、実際に読み上げソフトで聞きながら点検します。目で見るだけでは問題を見つけにくいものです。
  4. 色だけで情報を区別しないようにします(色覚に特性のある生徒にも配慮します)。
  5. 評価用の資料はより厳しく確認し、アクセシビリティのせいで点数を落とすことがないようにします。

要点まとめ

視覚障害のある生徒のデジタルアクセシビリティは、資料を作るときの習慣から始まります。代替テキスト、見出し構造、読み上げ順序、表の見出し行を押さえれば、読み上げソフトが内容をそのまま伝えてくれます。AIは代替テキストのたたき台をすばやく出してくれますが、教科の文脈の確認は人がしなければならず、実際に読み上げソフトで聞いてみる点検が、最も確実な仕上げになります。

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