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授業設計

1コマ目の導入の最初の5分、好奇心に火をつけるフックの設計法

授業の最初の5分で生徒の注意を引きつけるフックを、AIの助けを借りて設計する具体的な方法をまとめました。

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授業の成否は最初の5分で決まる、という言い方は誇張ではありません。導入で「今日学ぶ内容は教科書32ページ…」と始めてしまえば、生徒の注意はすでに窓の外です。一度散った注意を集め直すには、その何倍ものエネルギーがかかります。反対に、最初の5分でなぜこれを知りたいのかを作り出せれば、残りの35分が楽になります。生徒が自分から答えを気にしている状態で入ってくれば、先生は説明する人ではなく、疑問を解いてあげる人になります。この導入の仕掛けを、一般にフック(hook)と呼びます。フックは生まれつきの才能ではなく設計の領域であり、AIはフックのアイデアを素早く広げてみるのに役立ちます。

効果的なフックの四つの型

フックは漠然とした「興味づけ」ではなく、決まった型があります。そのコマの目標に合う型を選びます。

  • 意外性型: 常識に反する事実を投げかけます。「真空中で羽根と鉄球を落としたら、どちらが先に床に着くでしょうか?」のような、直感を揺さぶる一撃です。
  • ジレンマ型: 答えが分かれる状況を示し、生徒をどちらかの側に立たせます。立場を決めれば、没入がついてきます。
  • 接続型: 生徒の日常と学ぶ内容をつなぎます。「昨日見たあの動画の中の現象は、実は…」のように、自分の経験に錨を下ろします。
  • ミステリー型: 結末を隠した問いを投げかけ、授業の終わりに解きます。好奇心を授業の間ずっと引っ張っていきます。

よいフックは答えを与えません。答えを知りたくさせるだけです。疑問が残ってこそ、授業は回り出します。

AIでフックを素早く作る

フックを一つ思いつくために、毎回頭を絞る必要はありません。AIをアイデアの発生装置として使います。

  1. 型を指定して依頼: そのコマの目標を伝えたうえで、「意外性型のフックを3つ、ジレンマ型を3つ」というように型を指定して候補を出してもらいます。
  2. 学年に合わせる: 対象の学年を伝えれば、語彙と事例の目線が合います。
  3. 事実の検証: 意外性型のフックは事実誤認のリスクが大きいので、AIが出した事実は先生が必ず確認します。
  4. 現場向けの調整: 自分のクラスの雰囲気や最近の話題に合わせ、最後の仕上げは人が行います。

肝心なのは、AIが候補を広げ、先生が選ぶという分業です。フックはクラスの文脈に左右されるため、いちばんよく効く一つを見抜く目は先生にあります。隣のクラスで効いたフックが自分のクラスでは色あせることもありますし、去年うけた事例が今年は時代遅れになっていることもあります。AIが出した6つの候補の中から、自分のクラスの生徒の最近の関心事に触れる一つを選び出すこと、それが人にしかできない最後の仕上げです。

まとめ

授業の導入の5分は、進度の一部ではなく残りの授業の動力に火をつける装置です。意外性・ジレンマ・接続・ミステリーという四つの型のうち、そのコマの目標に合うフックを一つきちんと投げるだけでも、生徒の注意は変わります。AIは型ごとの候補を素早く広げてくれますが、事実の検証とクラスに合わせた調整は先生の役目です。次の授業では「今日学ぶ内容は」の代わりに、フックの一文から始めてみることをおすすめします。最初の5分に疑問を植えておけば、そのあとの35分は生徒が自分からついてきます。

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