マイクロラーニング、コンテンツを細かく分けて組み直す技術
長い学習資料を短い断片に分け、目的に合わせて組み直せば、学習者も教員もずっと身軽になります。
一時間分の学習資料は、作るのも大変で、学習者が最後まで消化するのも困難です。長いコンテンツを5分前後の断片に分け、目的に合わせて組み直すマイクロラーニングの方式は、制作と消費の両方を身軽にします。断片にしておけば、学習者は空き時間に一つずつ見られますし、教員は同じ断片をいくつもの文脈で使い回せます。肝心なのは細かく分けることだけではなく、散らばった断片を意味のある形にキュレーションすることにあります。
コンテンツを細かく分ける原則
やみくもに切ると文脈が途切れます。断片がそれ自体で完結するように分けてください。
- 一断片、一概念: 一つの断片には一つの学習目標だけを入れます。そうしてこそ、別の授業に差し込んでも自然です。
- 完結した単位で: 前の断片を見ていなくても理解できるよう、断片ごとに短い文脈を添えます。
- その場の確認をつける: 断片の終わりに短い確認の問いを一つ置けば、学習者が見たという事実と理解を同時に点検できます。
- 検索できるようタグを付ける: 断片がたまると、結局は見つけられなくなります。単元・レベル・種類をタグとして付け、ライブラリとして管理します。
こうして作った断片は一度の制作で終わらず、学期ごとに違う順序で組み直されます。
断片を組み直すキュレーション
分けることより難しいのが、組み直す作業です。同じ断片でも、どうつなぐかによってまったく別の学習経路になります。
- 学習者のレベル別の経路: 同じ概念の断片に、基礎の断片と発展の断片を違う形でつなぎ、一つのコンテンツで複数のレベルに対応します。
- 目的別のまとまり: 復習用、予習用、補充用として、同じ断片群を違う形にまとめて提供します。
- 流れの設計: 断片をただ並べるのではなく、やさしいものから難しいものへ、あるいは事例から原理へと、意図された順序を作ります。
- 外部資料の選別と結合: 自作の断片に検証済みの外部資料を混ぜますが、出典と信頼度を先に確認します。
よいキュレーションとは資料をたくさん集めることではなく、学習者が迷わない道を選んであげることです。
マイクロラーニングが陥りやすい落とし穴
断片が短ければすべてよい、というわけではありません。細かく分けすぎると学習が断片化し、全体像が見えなくなる危険が生まれます。5分の断片を十個見たとしても、それらがどう一つにつながるのかがわからなければ、知識は砂粒のように散らばります。ですから断片ごとに「これが全体のどのあたりなのか」を示す仕掛けが必要です。
この落とし穴を避ける方法は次のとおりです。
- 地図を先に見せる: 断片を見る前に、学習の道のり全体の地図を一度見せれば、学習者は自分の位置がわかります。
- つながりを明示する: 断片の終わりに「次はこれにつながります」という一行を入れて、流れをつなぎます。
- 総合する断片を置く: いくつかの断片を見たあと、それらをまとめて整理する断片を最後に配置します。
マイクロラーニングの短さは集中を助ける長所ですが、つながりがなければ断片的な知識の山になるだけです。細かく分けつつ、学習者が全体像を見失わないようにまとめてあげること。その均衡が、マイクロラーニングを本物の学習にします。
まとめ
マイクロラーニングの力は細かく分けることと、組み直すことの組み合わせにあります。一断片に一概念、完結した単位、その場の確認、検索用のタグという原則で分け、レベル別・目的別に違う形でキュレーションしてください。同じ断片が復習用にも予習用にもなる瞬間、制作の効率と個別化が一度に解けます。コンテンツをたくさん作ることよりも、うまく分けてうまくつなぐ技術が、学習者の負担を減らします。

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